寒さの残る3月初旬、私は娘が勤める航空自衛隊 小牧基地のオープンベースに行ってきました。前日の予行では娘に基地を案内してもらい、思い出深い一日となりました。
娘は大学でジャーナリズムを学び、卒業後はニュース番組制作に従事していましたが、昨年春に航空自衛隊に入隊しました。
幼い頃の娘は表情豊かで可憐な女の子でしたが、いつしか我慢強く、よくいえばしっかり者、悪く言えば感情を出さない甘え下手になりました。私は小学3年生以来娘が泣くところを見たことがありませんでした。きっと人知れず泣くこともあったと思うし、生きづらさを感じているのではないかと心配していました。娘が入隊し、離れて暮らすようになると、ますます不安は大きくなりました。
ところが、昨年夏に教育隊の卒業式に行った私は自分の目を疑いました。娘が仲間と大声で笑い、人目をはばからず号泣していたのです。驚く私に、娘は満面の笑みで「つらかったけど楽しかった!」と話してくれました。
航空自衛隊に入隊したことで、娘には安心して本音を言える仲間ができ、信頼関係を築くことができたのだと思いました。そんな娘を見て、私も涙が止まりませんでした。
娘はまだまだ未熟で自衛隊員としても、人としても、学ぶことが多いと思います。楽しいことばかりでなくつらいこともあるでしょう。厳しい環境にあっても、同期の仲間とともに強くしなやかに乗り切り、成長してほしいです。親は何もできませんが、陰ながらずっとずっと応援していきたいと思います。
(横浜中央 いずほ母)