高校を卒業して間もない長男が着隊のため航空自衛隊熊谷基地へ旅立ったのは2017年3月30日。集合場所の神奈川地方協力本部まで送りたかったけれど、
「いつも学校に行くときみたいに普通に見送って」
という長男の希望通り、玄関で見送りました。一度も振り向かずに駅へ向かう長男の背中が涙でにじみ、やがて見えなくなりました。
8時半集合、9時出発。12時過ぎに「着いた」「基地の飯うまかった」というメッセージの後、音信不通に。既読もつきません。(基地内ではスマホは没収なのかしら?)。
彼が自宅を離れて2日、住所や内線の電話番号や入隊式の時間など、用があるとたまにメッセージは来るものの、こちらからのメッセージは基本既読にはなりません。(がんばってるかな?)と、常に長男を思う日々。
ある日の昼休み、職員食堂で食事をしながらSNSを開くと、長男からメッセージが届いていました。
「ママの飯が食いたい」
たった一言でしたが、その言葉に込められた長男の気持ちを思ったらたまらなくなり、同僚や先輩の前で号泣してしまいました。
おりしも週末には熊谷基地でさくら祭りが開催されるとのこと。長男からは外出禁止なので会えないと言われていましたが、たとえ会えなくても長男が生活してる場所を一目見たくて、熊谷基地へ向かいました。ダメ元で長男に連絡してみたところ、なんと班長のご厚意で隊舎の玄関まで行けば面会できることに!
4日ぶりにみる長男はなんだか大人びて、受け答えもまるで別人のよう。「スマホ、触われないの?」と聞くと「こうしてる時間も給料は発生してるので、国民の税金で支払われているものだから、触るのはあまりよくない」と、立派な答えが……!たった4日で、自衛官として歩み出した長男の成長ぶりに驚くとともに、誇らしく感じたのが昨日のことのようです。
実は先日、家族会の友人達と食事をした際、入隊式の話になり、この話をしたところ、聞いていたみんながもらい泣きしてくれました。もちろん、話している私も涙です。「何年経っても我が子を送り出した時の気持ちや風景を鮮明に覚えているものだね」と、みんなでしみじみしてしまいました。
こんな風に気持ちを分かり合えるのは、親もみんな同じ道を通ってきたから。隊員家族同士だからこそ分かり合える、そんな家族会の魅力を感じたひとときとなりました。これからもみんなと一緒に我が子の
成長を見守っていけたら嬉しいです。
(横浜中央地区会 M)